ボンドレイク

Ergo Proxyのボンドレイクのレビュー・感想・評価

Ergo Proxy(2006年製作のアニメ)
4.9
 虚無感に満ちたディストピアで繰り広げられる自分探しの旅と闘いを描いた、哲学アニメ。

 自分とは? その自分の存在意義とは? そして、このピノってキャラの超絶的な可愛さって一体なんなんだい!!笑笑

 まず、このアニメに引っ張られる要素として、キャラと世界観の満点なほどの素晴らしさがある。

 みんな言ってる事だけど、ロボットの女の子ピノが可愛すぎる。 ピノが主人公でアニメを作れるんじゃないかってくらい。実際に、ピノが主人公のエピソードである"ディズニー"回は最高 笑
 ピノの可愛さ全部乗せ。出てくるアニメ間違えたんじゃないかってほどにカワイイ笑

 そして、そう思うほどに世界観が暗い!!
 皆さんここが肝でございますよ!このバランスが大事なんですよ!

 事の真相についてが、「マトリックス」シリーズのように 回りくどく カッコつけた哲学チックなセリフと演出で説明されるため、一度で理解するのはムズイ。
 そのため、観客を引っ張る エンタメ要素としてピノや ビンリル(ヴィンセント×リル) があるってわけで!! このバランスが旨い!
 二次創作が楽しいコンテンツではないでしょうか?みなさん?! ビンリルを発展させていきません?

 それはさておき、事の真相や 個性強いキャラよりも、強い要素として 作品のテーマである"自分の存在意義"があります。
 それぞれのキャラが それぞれに 自分自身の存在意義を見つけていく、成長物語の側面ですね。
 このテーマを追いながらだと、とても観やすいアニメかなと。
 毎1話の中で完結するストーリーの完成度がとても高く、密度が濃いですな。

 このテーマのために"真相"があり、"真相"のためにキャラがいる。テクノライズもこんな感じだったかもっっ。

 考察好きなら、事の真相を解明してみても良いし、
 作品テーマに惹かれるなら、各キャラの行く末や、各エピソード自体の構成・展開に唸っても良いし、
 キャラが好きなら、気弱なキーパーソンのヴィンセント、男勝りで頭脳明晰な美女リル、ピュアで賢い女の子なロボットのピノ、の トリオ 二次創作を作ってもいいし笑笑

 一つの"作品"として質が高い名作アニメでした!

 また、質の良いアニメの主題歌も必ず質が良いということで、今作のopと特にedの Radioheadによる 「Paranoid Android」がメチャクチャぴったり!!
 感情を表現したわけでもないような、まさに虚無感漂う鬱ソング!! 性癖にばっちり刺さりますね!

 マトリックスとか、テクノライズとかのディストピアが好きなら これも観てくれい!
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