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オッドタクシーのおはうちのレビュー・感想・評価

オッドタクシー(2021年製作のアニメ)
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アニメにおけるテーマが「現実に帰れ」系列の中でも地に足ついてて安定感が高かった。視野が虚構から現実へ移り変わって受け入れる行程、今迄の積み重ねが丁寧。そして現実へと帰れば何もかもOKになる訳でなく、死の匂いを漂わせるバランスも備えていて恐れ入った。

衝撃の最終回って凡庸な感想がつい出てしまう衝撃の最終回。きな臭い話は幾らでもある本作だが殺人事件の一件だけは浮いて見えていた所で舞い込んできた真実、最後に誰が微笑んだのかで戦慄。

最終回を迎えた『オッドタクシー』を何かしらのメディアで取り上げて評判が上がって、もっと沢山の人に見られて受容されるような作品だと思いました。私的に最終回のラストで微笑むキャラのファンアートは大量に生産される程のポテンシャルありますよね。

当初は実写でも成立するストーリーをデフォルメされた動物に置き換える必然性には謎だった。実写化するなら旬な芸人とかアイドルが出演して面白そうだと空想したが、アニメにおけるキャラデザで虚構と現実を描き分ける表現が長所の作品だと分かったから実写じゃ難しいかな。

何気に仁義のあるヤクザが出てくる作品だったな、ドブなんかは普通に犯罪者なんだけど憎めないキャラなんだよね。刺青入れたマレーバクの正体とかさ普通に感動的なのよね。

41歳の中年男性を主人公するのに動物の擬人化なら成立する計算もしたたか。現実を見れるようになって、現実をそのまま受け入れられるくらいに成長している年齢が41歳である事実は感動的でもある。それなりに歳食った年齢だからこそ受容できる視点が普遍的だった。

オッドタクシーの作画に全くリソース割かないで見せ場を作ってる感じ面白いかっていうと、やっぱりリソース割いてないんで絵的な面白さには欠けるのは事実かなぁ。そこはストーリーが面白いの一点張りで行くしかない。
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