やめられない、とまらない。
かっぱえびせんは途中で我慢出来るが、これは無理だった。
まさかの一気見。
アニメをほぼ観ない。
ジブリは観てきた方だと思うが、ディズニーは大人になって初めて観た作品の方が圧倒的に多い。
「ドラえもん」「サザエさん」「ちびまる子ちゃん」を小学校低学年の時にたまに観たかな、くらいである。
激しめの"エンタメ規制"の敷かれる家庭で育った。
"キャラクターもの"がどうやらお嫌いであった母上が、こっそり私の耳元で「あれはオシャレじゃないのよ」とささやきながら育てた。洗脳である。
その分、たくさんの本に触れる環境を整えてもらい、お芝居にも連れて行ってもらったので本当に感謝している。
そんなふうに育ったので、アニメに対する嗅覚は、まぁ無い。
なので「面白そうだな」とは思うものの、なんとなく観ないできた。
学生時代からの友人が
「オッドタクシー面白いから観てみてよ」とLINEをくれた。
彼女の「自分から友達を映画に誘う時は、一度自分で観て面白いからもう一回観たいと思ったものしか誘わない」という言葉に震撼したことがある。
実際、誘われて一緒に観に行った映画、私はもちろん初見、彼女は7回目とかであったことがある。
尊敬するが、愛を込めて思う。
「やべーな」とは。
そんな彼女のおススメだった。
自分の語彙力の無さが嫌になるが
「何これ、凄い!」である。
可愛いキャラクター達の、それぞれの物語が生々しく濃厚に描かれている。
その細かく描かれたピース一つ一つが、ピタっとハマっていき圧倒的な世界観が仕上がる。
ピースが繋がった時に、そこもか!と舌を巻くほどに美しく伏線が回収されていく。
"サスペンス"という文字が"伏線"という線で描かれ、その文字は読み終えた瞬間に爽快に消える、というような感覚になった。
私にとってのレビューは、自分の感情の整理であったり、学んだ事の記録、文章力が上がれば..という練習の意味を込めた"自分のため"という位置付けである。
が、これは色んな人にお勧めしたいと思った。
YouTubeに公式のオーディオドラマが各話ずつアップされている。
これがまた!
1話観る毎にオーディオドラマを聞いて、じわじわと追い詰められるのも良いし、全話観た後に聞いてぶん殴られるのも良い。
ちなみに私はぶん殴られた。
どうしてアニメでこれをやろうと思ったんだろう?という3話目くらいで浮かんだ私の疑問も最終話で見事に突きつけられた。
面白かった。
ウォーリーを探すのはめんどくさいなと思ってしまうのだが、これは"伏線を探せ!"をするために、もう一度観るだろう。
カフェでこのレビューを書いていて、お隣に座ってる人に話しかけてみたい謎の衝動に駆られた。
「オッドタクシーって知ってます?」
誰かと話したくなる。