takayamiou

SPACE PIRATE CAPTAIN HERLOCK OUTSIDE LEGEND 〜The Endless Odyssey〜のtakayamiouのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

松本零士先生逝去後に、アニメ・漫画等の派生作品を改めて追っている一環です。

松本作品のアニメ化ならこうあって欲しいという作画の完璧な体現。


成長していく少年像の象徴である台羽正は、いついかなる時も父母を亡くしハーロックにナンパされるわけです。

概念なので仕方がない。

しかし過去のTVシリーズでは台羽博士の助手も当たり前にこなす天才少年であり副主人公だったはずが、復讐心と直情気質が強調され、あげくマゾーン女王ラフレシアVSハーロックがクローズアップされていくと影が薄くなるのも必然…という、少々不遇な立場でした。

そこをちゃんと補完するのがこのアウトサイドストーリィの役割だったのではと思うのですが、とはいえ、ハーロックは台羽くんに優しくもあり厳しい。
台羽パパも厳しい。

そんな選択とっさにできないよ、というラストの二人の対峙、詳細を見せないところは最初戸惑いましたが、ハーロックが対峙してくれるということが、彼の成長を表してもいるのですよね。


去っていくアルカディア号にトチローとまゆが乗っていることの解釈は幾通りも出来ます。

たとえば全てのエピソードが夢であり象徴である…と読むこともできる。

成長した台羽くんは懸命に生きて、一廉の頭角を表すのでしょうし、またアルカディア号に乗ることもあり得るのでしょう。

ハーロック、ミーメ、蛍さん、ヤッタラン、魔地機関長、マスさん、ミーくん、鳥さん…トチローに台羽くんが揃った海賊の面々の旅を、この贅沢な作画でまた観たいな…
…というのは夢のまた夢なんだろうな…

少し切なくなる、少年の成長譚でした。
takayamiou

takayamiou