志麻凛

ヴァイオレット・エヴァーガーデンの志麻凛のレビュー・感想・評価

4.5
「宇宙よりも遠い場所」に同じく、2018年冬にリアタイしていなかった事が悔やまれる作品。4年前の自分に、[ヴァイオレット・エヴァーガーデンを見るように]と手紙を送りたいです。“楽しんで欲しい”という想いを馳せて。

強引ですがそのように、手紙には書いた人の想いが、常日頃反映されています。感謝や切望、懺悔など。今作は、実際に手紙を出したい人の気持ちを汲み取り、自動手記人形がタイプライターを用いて手紙を作成する。そこで、先程の想いを自身の中で媒介する。

そんな行為を主人公である、ヴァイオレット・エヴァーガーデンがしていく。最初は、顧客に対して己を貫き通していたが、仕事を重ねる毎に顧客に寄り添っていく。そこで生まれる、1本1本の群像劇が純粋に良かったです。

“愛しているを知りたいのです”
沢山の人と関わると共に、様々な『愛の形』を痛感する。そこで、かつてヴァイオレットが徴兵されていた軍の少佐・ギルベルトが謳った、前述した“”内の言葉の意義を探していく。その過程で重要となる、ギルベルトの瞳と同じ、エメラルドグリーンのジュエル。インディ・ジョーンズが肌身離さず、ハットを被っているように、首元に付ける彼女。そして、ジュエルを彼に見立てている描写が所々にあったのも感慨深いです。とあるシーンで、そのジュエルが奪われ、絶望しているような顔をしているヴァイオレットの姿がありました。[あの時守れなかったのに、今も守れなかった]という感情が、率直に伝わってきました。

外伝は去年視聴済み。2020年に公開された映画は未視聴なので、非常に楽しみです!
志麻凛

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