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大豆田とわ子と三人の元夫のmfのネタバレレビュー・内容・結末

大豆田とわ子と三人の元夫(2021年製作のドラマ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

三人と結婚して三人と離婚した大豆田とわ子。母親を納骨したいけど、なかなか踏み出せない。雨戸も自分で直せないし、直してくれる人もいない。以前は建築デザイナーだったけど、今は建築会社しろくまハウジングの社長に就任。一人でも生きていけるけど、誰かに大事にされたい。

一人目の旦那田中ハッサクとの間には一人娘がいる。娘は高校進学で家を出た。彼女は医者を目指してる。彼氏に医者を目指してもらい自分は彼をサポートつもりだったけど、やっぱり自分も医者を目指すことに。
ハッサクは洒落たバル、オペレッタを営んでる。モテすぎて困る。友達の彼女にも言い寄られる。ポーカーフェイスで寡黙で飄々としている。とわ子の親友、かごめの事も好きだった。何も言わないところに惹かれるけど、何も言わないから辛くなる。
二人目の旦那佐藤鹿太郎は英字新聞が書かれたシャツを着ているカメラマン。シーズン2。とわ子とは社交ダンスを通じて出会った。器が小さい。でも人は、器を小さくしたって良い。その言葉は、向いていない社長業に悩むとわ子に刺さる。
三人目の旦那シンシンはしろくまハウジングの顧問弁護士。変な走り方をする。パンダが好き。坂元脚本に一人は出てくるサイコパス気味の理屈屋。人との触れ合い関わりの中で、彼も、お土産を買ってくる人間に、挨拶をする人間に、少しずつ社会性を帯び変わっていく。グッドルーザー、スポーツの世界では優勝した人や金メダリストが勝者じゃない、負けた時に何を思い何をしたかが勝者。
とわ子の親友かごめ。幼少期から一人で信号の無い横断歩道が渡れない。とわ子は手を繋いで歩いた。ハッサクにとわ子を紹介したのもかごめ。とわ子とは二人で漫画を描いていた事もある。空乃みじん子。みんなができる事が出来ない。かごめから見たらみんな山。大人になってまた漫画を描いた。遺産3億円をボランティアに勝手に寄付、親戚に追われていた。かごめはすぐ失踪する。心筋梗塞で急に亡くなる。描いた漫画はとわ子が出版社に送った。佳作を受賞した。
とわ子には色んな男との出会いがある。詐欺師、取引先の社長、ラジオ体操で出会ったがビジネスではとわ子の会社を買収しようとしているファンド会社の取締役、初恋の人。三人と離婚しているけど、人生に失敗はあったって、失敗した人生なんて無い。
ファンド会社の取締役、小鳥遊さんにプロポーズされるとわ子。社長を引退してマレーシアに住む選択もあったが、とわ子は別れた。欲しいものは与えられるのではなく自分で手に入れたい性分。
とわ子の母の遺品からラブレターが出てきて、娘のウタと一緒に宛名の人に訪問した。相手は女性だった。愛し合っていたけど、とわ子の母は家族と一緒に過ごす事を選んだ。誰もがジタバタ生きている、一人の中にいくつもがあって、どれも嘘じゃ無い、自分。選んだ方で正解。母と彼女との事は父も知っていた。父は雨戸を直した。

好きになれる自分と一緒にいたい。好きな人には笑っていて欲しい。雨戸も直せるようになった。
三人の元夫はまだ、とわ子の事が好きだ、つまり大豆田とわ子は最高だってこと。


一人一人背負っている事があり、受け入れながら、認めながら生きている。各キャラクターのスタンスと台詞が素敵。全く説教臭く無い、最高の人生賛歌。名作。
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