順風ライフseason4

Pachinko パチンコの順風ライフseason4のレビュー・感想・評価

Pachinko パチンコ(2022年製作のドラマ)
5.0
全ての在日日本人の課題図書ことミン・ジン・リーの「パチンコ」ですが、本が読めない方はドラマ版があるので絶対に観る。これはまじ。原作通りではなく、でもそれがめちゃくちゃいい出来だった。気合いがすごい。オープニングが超かっこよくて、スキップせずに毎回観た。コ・ハンスがイ・ミンホ(花男の松潤ポジ)ってイメージ通りすぎる!と思って観始めたけど、ソンジャ役のキム・ミンハさん(新人なの!?)のハマりっぷりがすごい。コ・ハンスが市場で惚れる雰囲気(透明感と肉感)と絶世の美女ではないかんじ(義姉といるとみんな義姉をみる)そして時計を売るシーンのどっしり感がもうもう本当にソンジャだった!!そして南果歩さんとモーザス役のパク・ソヒ(新井総司)さんは在日コリアン三世なんですね。モーザスはガッチリ体型なイメージだったけどすごくよかったです。
シーズン1の最後に、ソンジャと同じく、日本による植民地時代に朝鮮から日本に渡ってきた女性たちのインタビュー映像がある。10代で来て、すぐに働いてきたそうだ。第二次世界大戦後、祖国に戻った人もいたが朝鮮戦争が始まったために戻れなかった人たちがたくさんいる。日本で無国籍状態になった人たち。ハナの台詞が忘れられない。「日本はこれからも何一つ変わらない。“ガイジン”差別がなくなることはないよ。それにね、あたしのソロちゃん、あんたは未来永劫、ガイジンのままなの。日本人になることはない。わかる?“在日”はこの国で生きるしかないんだよ」インタビュー映像が撮れて本当によかった。みなさん90代だ。これだけでも観る価値がある。わたしたちは加害の国日本を学ばなくてはいけない。日本が朝鮮、台湾、中国、そして沖縄、アイヌのひとたちにしてきたことをちゃんと学ばないと今でも植民地的態度をとっていたりする。沖縄は自分もかなりそうだと反省する。過去の話じゃない、おれたちの話をしてるんだぜ(高橋源一郎のぼくらの戦争なんだぜ風)

7話はオリジナルで、関東大震災での日本人による朝鮮人大虐殺を扱う。多くの記録にあるような竹槍や日本刀ではなく殺し方はマイルド(というかグロくない)だし、自警団だけで警察や軍隊が関わっていたことには触れていないのでもうちょっと踏み込んでもいいと思うけど、これが限界なのかもしれない。それでも緊張感があって良い回だった。シーズン2も楽しみ。