原作ファン・原作未見でもサクッと愉しめる!韓国を舞台にした寄生生物との戦いを描いたSFアクションドラマ。
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【原作とは“別サイドの物語”】
ベースは原作と同じく寄生生物に体を奪われた者たちの暗躍、彼らを討伐する警察組織、寄生生物と共存するカタチになった主人公の物語なのだが、意図的に原作から大幅にアレンジを加えた展開が多く、原作では“単独主人公路線”で物語が展開したが、こちらは“群像劇スタイル”で物語が紡がれる。
また原作では「人間とは何か」を主体にした哲学的で硬派の作風が特徴だったのに対し、こちらはエンタメ色が強く、グロ描写も極力抑えてるため、悪く言えば原作よりも薄味。良く言えば原作よりもテンポが良く気軽に見やすい万人向けに仕上がっている。
【話の作りや見せ方のうまさはハリウッドクラス】
寄生生物のバトルシーンは言わずもがな圧巻だし、原作以上にユニークなキャラクターとの掛け合いがシリアス展開の抑揚になってるし、物語の後半では激アツ展開もちゃんと心得ていて、さすが『新感染』の監督作だなと。
原作から一歩踏み越え、話をさらに拡張したアレンジ部分が多いので、原作と似た展開や似たキャラの立ち位置はあっても原作とは違う展開、異なる方向にハンドルを切ってくるから原作既読者も新鮮な気持ちで見られる。
【個人的に残念なポイント※ネタバレ無し】
ただシーズン2を見越してなのか、最終回の山場がかなり小規模になっており、原作にあった死に物狂いの激闘要素が無いので若干の拍子抜け感はあったが、全体を通して見ると良い着地だったと思う。
原作からの変更点で個人的に惜しいと感じた点は3つ。
・主人公と同居する寄生生物との関わりが薄くなっている。
・心にささる名台詞が少ない。
・強大な敵キャラがいない。
…といった感じで原作に思い入れがあればあるほど眉をしかめるかもしれないが、原作から一旦切り離した“別サイドの物語”と考えてみれば物語の最後に原作ファンを大興奮させる特大の“熱い展開”がキミを待っている!
【さいごに一言】
これほどまでに洗練された脚本と品質の高い内容を見せられてしまったらシーズン2も期待しちゃう。
日本と韓国の合作展開に熱い希望を込めて。