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ウィンチェスターズのslowのレビュー・感想・評価

ウィンチェスターズ(2022年製作のドラマ)
1.5
【辛気臭いゆるめのスーパーナチュラル】

海外で長年続いた人気ドラマシリーズ『スーパーナチュラル』の前日譚。
サムとディーンの両親が若かりし頃の出逢いと絆を描いた物語。※全話視聴済み。

今作は前作から受け継いだものと新要素が含まれている。
まず世界中の都市伝説から超マニアックな怪物たちが登場。基本的に一話完結で必ずと言っていいほど誰か一人の過去が掘り下げられ、成長していく人間ドラマがしっかりある。

今作の新要素として様々な人種の登場や同性愛者キャラなどのポリコレ要素があるほか、前作では男二人パーティだったのに対して今作では男女の5人パーティで構成されており、前作以上にチームとしての馴れ合いが非常に濃く描かれている。

【打ち切りになっても当然の退屈な脚本】

脚本は真面目に作られてるのだが、真面目になりすぎて本来の魅力が削ぎ落とされてしまっている。
スパナチュといえば、毎回のようにディーンがからかい、サムが仕返しをする子供みたいな喧嘩がかわいくて笑いを誘ったが、今作にお笑い要素はナシ。

唯一いるオカマキャラがジョークを飛ばすシーンは毎回あるのだが、真面目なオカマであるためかジョークのセンスもキレも悪く、さらにそのスベってるジョークがいちいち長ったらしい。

壊滅的なのは二つ。
一つは、「辛気臭い会話劇」
5人パーティ全員が心のトラウマを抱えており、毎回1話につき1人が暗い過去を吐露するのだが、全部回想シーンが用意されておらず、全員「口頭」で済ませるので映像がずっと退屈で、まるでなんの起伏もない邦画を見てるような気分にさせる。

二つ目は、「無個性の敵勢力」
スパナチュといえば、有能でずる賢い敵勢力とのスリリングな駆け引きや攻防劇が見応えあるが、今作の敵勢力は基本「無能」で能力も特に無く、話術も長けていない。
悪魔を手懐けてるわりにステータスは悪魔以下。
ラスボスの正体を知ると彼らが無能な理由に納得するのだが、グダグダなラスボス戦はあまりにチープすぎて草も生えない。

もちろん、今作も一話完結で色んな魔物が登場するのだが、狩りがメインだった前作とは違って今作は狩りがオマケになっている。
5人パーティの辛気臭いドラマがメインになっており、「オレorわたし可哀想でしょ?」アピールが強い嘆きのエピソードを毎回聞かなきゃいけない退屈なパートが必ずある。

【※若干の微ネタバレあり↓】

スパナチュファンに向けたサービス要素も一応あるが、ほんの少し程度。
ぶっちゃけ言うと前作と繋がりのある世界線ではないので、見る価値は無い。
ディーンとボビー、カスティエルはちらっと登場するので彼らの顔を見ないと死ねない人は見る価値がほんの少しはあるかも。
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