漱石枕流

フォー・オール・マンカインド シーズン4の漱石枕流のレビュー・感想・評価

4.2
このシリーズは全体的にとても好きなのだけど、S3は若干作品世界から脱線してしまった感があった。その点、このシーズンはいくらかそれを戻そうとする意図が感じられた。

下働きとなる多くの労働者を雇い入れた結果、低賃金と重労働に彼らの不満が爆発し——というのはよくあるパターン。でもそれが火星という別の惑星で起こるというだけで、とても新鮮味が感じられた。

あと、ソ連に亡命したマーゴのストーリーにもリアリティーが感じられた。年金で一人暮らししている老婦人みたいな風情から始まって、もちろんそれで終わらないだろうのはわかるのだけど、やっぱり惹きつけられるのだ。

あと、火星に到達後、焦点が小惑星に移るというところもおもしろかった。現実的に人間の科学力で小惑星を衛星化できるかどうかは知らないのだが、ドラマのなかでは無理なく描かれていて、まったく気にならなかった。

リアリティーを保ちつつも、エンタメならではのおもしろさがよく出ていて、今回も最後まで飽きずに鑑賞できた。発表されたばかりのS5とスピンオフシリーズも楽しみ!

[ドイツ語音声+日本語字幕]2024/03/12-22 Apple TV+
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