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マッドゴッドのレクのレビュー・感想・評価

マッドゴッド(2021年製作の映画)
3.7
レビ記(律法)の引用から始まる本作、神の定めを守らなければ厳しい罰が課せられる。
冒頭の映像から推察するに、地獄と表現される場所は言語のない堕ちてゆく世界で、反逆する者ニムロドのように神の領域に足を踏み入れていく"反バベルの塔"構造か。
そこには神の慈悲など一切ない。

幼少期にヒエロニムス・ボスの世界に触れて以来、蓄積してきたイメージを30年掛けて作り上げたフィル・ティペットの脳内地獄巡り。
これはディストピアではない。
狂った神の怒りの矛先を諧謔的に皮肉るポストアポカリプスの世界だ。
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