あーや

渇水のあーやのレビュー・感想・評価

渇水(2023年製作の映画)
1.5
水道の給水停止執行を行う水道局の職員を主人公に据えた物語。

現代日本において水道代を払えなくて困る人々にスポットライトを当てた話というと、何だか恐ろしくニッチだなあというか。

変なプライドを捨てて生活保護をとるか、軽度知的障がいなどでそれも無理というのならば、無理矢理にでもそういう人を福祉に繋げる仕組みを行政の上層部が作るとか。
日本において問題とされていることの多くがそうだと思うけど、(当事者も含めて)然るべき立場の誰かがほんのわずかな機転を利かせれば立ち所に解決してしまうものばかり。

少なくとも、この手の問題に関して言えば解決策がすぐ目の前にあるという点で間違いなく日本は世界トップクラスに都合の良い国なわけで、こんなレベルで「現代の日本の格差が・・・」(本作の監督曰く)なんて言ってたら世界中から失笑を買うだろう。
何でもかんでも"格差"のせいということにして、雑にポピュリズムに持ち込むのはやめたほうがいいのでは?どう考えても真の問題は別の場所にある。

作中の状況に関して言うなら、さっさと児相に通報しておけば子どもたちだけは早々に何とかなっただろうという思いが拭えず、大人たちのアホさ加減がすごい。。。

原作は30年以上前の物語なうえ、ラストもこの映画とはかなり違っているらしい。であれば、この何とも言えない喜劇感は完全に映画の側の舵取りミスだとしか思えない。

ありもしないような"社会問題"をでっち上げたり、相対的にはものすごく優先順位の低い話を極端に拡大解釈して闇が深い系の映画にするというのが、近年の邦画界では流行っていたりするんだろうか?
あーや

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