よーすけ

生きる LIVINGのよーすけのレビュー・感想・評価

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.2
5. 絶対にみるべき

日本とイギリスの違いや、時代の違いは感じるものの、うまい具合に設定を変えてあり、黒澤明へのリスペクトを感じる。
自分が黒澤明の原作を見た時は、たしか中高生のときで、そこから10年経って再び見ると捉え方も全然違ってくる。
毎日出勤していながらも、やる気のない主人公という風に思っていた気がするが、市役所ならではの縦割り社会に諦めをつけて、ただ歯車として働いていただけなんだなと。そこに死という大きな転機がきて全てが変わっていった。
たった一回の出来事があっても、なかなか体制は変わらないから思い出してほしいという主人公の願いは本当にその通りで、今の時代になっても官庁は縦割り社会で横の連携には弱い。普通の会社ではできるのになんで国ではできないのだろう。
体制が変わることないって見越してた黒澤明の着眼点はさすがだし、だからこそ今見てもしっくり来たんだろうな。
自分も社会に慣れてきたら、何も考えずにタスクをこなすだけの人生になっていきそうだからこそ、この映画を胸に後悔のない人生を送りたい。
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