TAR/ターのののネタバレレビュー・内容・結末

女性ながら世界的に活躍する指揮者リディア・ター。彼女が過去に指導した若手指揮者の訃報から、とある疑惑をかけられてしまう。そこから彼女の破滅が始まるのだった……ドラマ作品。

最後の最後まで「当事者と第三者の異なる見え方」を描き続けた映画だった。
男性社会で男性的に振る舞い、時に女を使う主人公がセクハラ疑惑で社会的に抹殺されるのはなんというか笑えない。

ラストで説明もなくMHの客演指揮をして終わるのはあまりにも説明不足すぎる。
「ゲーム音楽のオーケストラコンサートをする指揮者はああいう心境なのか……」と思いはじめはなんとも言えない気持ちになったが、前向きな意味もはらんでいると思うので良い意味の方で捉えたい。
観客がどう受け取るのかは自由。

それはそれとしてケイト・ブランシェットの演技は真に迫っており、凄かったの一言である。
プライドをへし折られ、アコーディオンを弾くシーンと細かく微調整していた演奏プランの部分で乱入するシーンが好き。