このレビューはネタバレを含みます
面白かった。ラストの順光から逆光に変わり、そのまま街に消えていくカットが美しい。
周囲が優しくて包摂してくれる世の中、というのは理想的すぎてファンタジーに見えるが(これは同監督の『夜明けのすべて』にも感じた)、完璧な配慮は難しいとしたうえでケイコを気に入って歩み寄る人がいる、としたのは誠実だと思う。
その他、減量失敗を叱る声がバックで響くなか黙々と練習するケイコ、という場面が良かった。映像と音声で別のことが起きている、そのズレがケイコと周囲のズレである、というのを端的に見せていたように思う。
岸井ゆきのの無言の演技がとても良かった。