ケイコ 目を澄ませての三茶が好きな人のネタバレレビュー・内容・結末

本当にすごい映画。
ケイコが発したたった一つの言葉は「はい」
演技をするにあたって、何を思いながらどう役に入っていったのか、そこの心情と葛藤がものすごく気になる作品だった。
フィルムが映し出す光、色、いちいちかっこいいし、コンデジ越しに覗いているみたいで見ていてなんかドキドキした。こんな映画は初めてでした。
内容自体は特に起承転結もない、のにつまらなかったという感想には全くならないのがこの映画のすごいところだと思う。
セリフがなくても、ケイコの表情で言葉が伝わってくる。シーン一つ一つの間の置き方が絶妙だった。

字幕付きで見ると、(〜の音)が一つ一つ丁寧に翻訳されていて、途中の手話のシーンは翻訳がないのも、しっかりとこの映画の観客(聴覚障害者の方々)を想定している細かい配慮が素敵だなと思った。
家でのシーンのみ、手話の翻訳が黒背景になるのはなんでなんだろう。

途中まで弟がHimiと気付かず、、気づいてからは激アツでした。弾き語りで私の大好きな曲！幸せすぎたんだけど、よくよく考えたらこの映画、作中音楽流れてなくて、その弾き語りのシーンだけなの、そんな映画初めて出会ったかもしれない。

「目を澄ませて」とは、早送りしないことの奥ゆかしさ
音の映画であるからこそ、耳ではなく目を澄まして鑑賞する。タイトルが観客へのメッセージにもなっているのが洒落すぎている。