ミニマムな映画だった。
このミニマムとは、モノが綺麗に収納に隠された家で暮らし、服装は白シャツと黒スラックスの、いわゆるミニマリストではない。
ホンサンスから感じたミニマムとは、
自分が心地良いと思う人やモノだけに囲まれて生活し、常に無理をしないありのままの状態「自然体」である。
いつもモノトーンコーデなんてつまらないし、モノひとつ見えない部屋なんて不自然で逆に落ち着かない。
後輩の書店員と小説家の会話はまさに、自然体でいることを語っていた。
『昔は読まなければいけない本もあって、いろいろ本を読んでましたが、今は本当に読みたい本だけを読んでいます』
『読者する楽しみを知ったのね』
お金とか名声とか、他人からどう思われようかなんてどうでもいい。そんなことが、この映画からすごい伝わってきた。
コントラスト強めのモノクロ映像と、固定カメラに人が入ったり出ていったりと、見えない部分を想像させる映画で面白かった。