大学を卒業したアンドリュー（クーパー・レイフ）は実家に戻るが職はない。ある日、弟の付き添いで参加したパーティーで、自閉症の娘を持つシングルマザー、ドミノ（ダコタ・ジョンソン）と知り合い惹かれるようになるが、2人は自分と家族の幸せのためにどうするべきか苦悩する。
ダメ過ぎず、優し過ぎず、面白過ぎない、中途半端な男が主人公で、カットの繋ぎがかなりいい加減だなーって思って観てたんだけど、どんどんアンドリューに共感して、展開の慌しさも心地よくなっていった。
アンドリューだけでなく、登場人物みんなが個性と欠点に溢れていて、同時に悪人が出てこないという見事な設定と脚本が気に入った。
単に大人になり切れない男の成長を描くだけでなく、愛することと愛されることの難しさというか、現実社会で幸せを求めて生きる人たちの “あがき” を観ることができる。
彼女の婚約者に感謝を伝えられて打ちのめされるアンドリューや、終盤に車の中でもがくアンドリューには、中年以上の観客はどこか懐かしく共感するものがあるんじゃないかな。
それに、気になる彼女を検索したらピザが出て来たり、殴り合いの後に家族が和んだり、コメディとしてもけっこう楽しかった。
あんまり好きじゃないけど、「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」「ロスト・ドーター」と良作が続くダコタ・ジョンソンは力の入った演技で、何より監督・脚本・主演のクーパー・レイフはこれから大注目だ。
