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ブルービートルの傘籤のレビュー・感想・評価

ブルービートル(2023年製作の映画)
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大学を卒業し、メキシコの実家に帰ってきたハイメくん。しかし、移民である彼らはろくな仕事に就くことが出来ず、家賃滞納で家から追い出されてしまう。路頭に迷うことになりそうな中ハイメくんは大企業の令嬢ジェニーと知り合い、「スカラベ」という古代の宇宙技術が宿る異物の力を得ることとなるーー。

すごいど直球のヒーロー映画という感じ。DC作品にしてはかなりポップで明るいテイストなので、よく言えば安心して見てられますし、この手の映画に求めているアクションや世界を救うってストーリーは満足度高めに味わえることでしょう。

ただし、ヒーローになる過程とか、家族は大事だという根底にある思考、ヒロインとキスをしようとすると唐突に現れる部外者、ヴィランとの戦闘→日常生活→ヴィランとの戦闘→日常……という展開。どれもこれもこれまで作られてきたヒーロー映画の成功例の文脈に沿って作成されたものでしかなく、さほど本作独自のそそられる要素、つまりフックとなる部分が弱いなあと感じました。

あ、でも敵のデザインとかはかっこいいですし、妹の使用する3Dに展開する装備のガジェットとしての面白さ、おばあちゃんがめちゃんこ強いというサプライズ、ここら辺はかなり良いです。テンション上がりました。

ヒーロー映画をたくさん見てきたからこそ目新しさはあまり感じませんでしたが、こういう王道で明るいヒーロー映画はやはり楽しいです。
また、メキシコ系の主人公像とその家族が中心となるのは、良くも悪くも"絆"を重視し過ぎているように感じましたが、「ブルービートル」のオリジンストーリーとしては十分満足な出来だと思います。
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