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死びとの恋わずらいの傘籤のレビュー・感想・評価

死びとの恋わずらい(2000年製作の映画)
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フレームの切り取り方とかカメラの動かし方がかなり好み。ざらついた映像には黒沢清みを感じる。フィルマークス内における評価の低さはいくらなんでも不当だと思う。ちゃんと一本の映画として出来上がってるし、良いシーンもたくさんある。「原作通り」でないからダメという理由でこの評価だとしたら思い出してほしいんだけど原作のお話かなりめちゃくちゃですよ?あれをそのまま映像化したらたぶん酷い出来になりますよ?対してこの作品は後半になるにつれ原作から離れてより切実でほの暗い、ノスタルジックな情景を演出しています。はっきり言ってかなり好きです。映画を作るというのなら、映像に対しての「理想」を作り手に持ってもらいたい。そうでなければ映画をつくる意味がない。その意味でこの作品は「ノスタルジックな感覚を彷彿とさせるホラーを作りたい」という想いがしっかり込められています。私にはそう感じられました。いい作品です。胸を張って言えます「死びとの恋わずらい」の映画版は面白いよ!って。
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