MasaichiYaguchi

胸騒ぎのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
3.7
或る善良な家族を襲う悪夢のような週末を描いたデンマーク・オランダ合作によるヒューマンホラーは、観る者を暗澹たる気持ちにさせる映画ジャンルヘビー級王者、ラース・フォン・トリアーを生んだデンマークらしい、最後までイヤーな“胸騒ぎ”が止まらない。
休暇でイタリアへ旅行に出かけたデンマーク人の夫妻ビャアンとルイーセ、娘のアウネスは、そこで出会ったオランダ人の夫妻パトリックとカリン、息子のアベールと意気投合する。
数週間後、パトリック夫妻から招待状を受け取ったビャアンは、妻子を連れて人里離れた彼らの家を訪問することにする。
再会を喜び合ったのもつかの間、会話を交わすうちに些細な誤解や違和感が生じ始め、徐々に溝が深まっていく。
彼らの“おもてなし”に居心地の悪さと恐怖を感じながらも、週末が終わるまでの辛抱だと耐え続けるビャアンたちだったが、それが驚天動地の展開へ傾いていく。
「君子危うきに近寄らず」というが、やはり“胸騒ぎ”がする時は「三十六計逃げるに如かず」だと思う。