にしくん

ザ・ホエールのにしくんのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
4.0
ダーレン・アロノフスキーが描く、死を目前にした巨漢の最後の数日。誰かを救おうとする人は、人を救うことが出来ず、何も考えずに取った行動や、書いた言葉が思いがけず人を救う時がある。誰かに認められることが重要ではなく、思いのままに生きることで、それが光をもたらす瞬間が来ることを描いている。
キャリアが沈んでいたブレンダン・フレイザーの迫真の演技は、本当に素晴らしく、彼の存在こそがこの作品成功の最大要因。正しく鯨のような巨漢の彼は、まるで打ち上げられた鯨のように自力では動くことが出来ず、それでも最後には自分の力で海に還る。
作品は違えど、やはり『レスラー』を彷彿とさせるような作品。お見事。
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