恋人に誘われ、鑑賞。
幸せな日常を切り取り、定期的にアップを続けるユーチューバーの家族。美しい家具に囲まれた彼らの家を、ある日、カラスが襲う。それは、一家の少女に起こる不吉な出来事の予兆だった……。
露悪的で自己欺瞞に満ち溢れた家族による不条理ホームドラマだった。
ユーチューバー版『へレディタリー』のような導入から、ホラー版『E.T.』(あるいは、北欧版『REX 恐竜物語』)を経由して、ドッペルゲンガー版『キャリー』へと発展する変奏曲という印象。
「ブラックミラー」ほどのメッセージ性は感じなかったが、潔いテンポで分かりやすいストーリーと終盤まで2つの可能性を孕ませた少女に関する秘密の描写が白眉。
やけに血生臭くて寒々しい空気感や、肩透かしすら喰らいかねないアッサリとしたエンディングなど、全体的な手触りは『ぼくのエリ200歳の少女』にも近かった。
<<エログロおバカメーター>>
エロ ☆×0.0
グロ ☆×4.0
バカ ☆×3.0
・エロポイント
思いのほか、皆無だった。主演の少女は可愛い。
・グロポイント
ゲロ、裂ける口、ナイフによる殺傷と、生理的な嫌悪感を抱くグロ描写が多数。建物や衣服など、北欧らしい美しさに加えて、土地の風土からなのか、血でさえ、すぐに渇きそうなサッパリとした空気感が独特だった。
・おバカポイント
殺したカラスの卵を孵化させるというエゴイズムに満ち溢れた少女のおバカな初動から気持ちが悪かった。
ドッペルゲンガー的要素から引き起こされる誤解、まるで、アンジャッシュのコントのような悲劇も面白かった。