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リボルバー・リリーのnatsuoのレビュー・感想・評価

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)
3.7
「ミュータント綾瀬はるかvs無能帝國陸軍」

特報解禁、予告公開など色々なタイミングであーこれは観ないといけないなーと思いつつ、いざ公開されるとあまり評判が良くなくて、今日まで腰が重くなり続けていた。しかしいよいよ上映終了しそうな顔をしていたので、重くなりすぎた腰をやっと持ち上げて鑑賞してきた。
そもそも殺し屋とかガンアクションとかは大好きな類なのになぜここまで観てこなかったのかよくわからないが、一つは綾瀬はるかがあまり好きではないからかもしれない。嫌いとかじゃないし、意識的に見ないようにしているわけではないが、特段魅力は感じないかなーというタチなので(ごめんなさい)。また邦画をそもそも観ない人というのもあるかもしれない(これに関しては本当に改めるべきだと思っているのだが)。ただ、まあもちろん綾瀬はるか本人も含めキャスト陣がかなり豪華で、セットや衣装美術などもかなりお金がかかっている感が予告の段階から滲み出ていたし、流石に観に行こうと決意して滑り込みで観に行った次第です。


https://youtube.com/watch?v=oP0A4epw5J0&feature=shared
こんな動画↑も公開されていたので興味がある方は是非。
関東大震災から1年後の東京。幼い頃殺し屋に育てられた過去をもつ小曽根百合(綾瀬はるか)は、今は玉の井で静かに暮らしていた。しかしある日、彼女と深い関係を持つ細見家一家と筒井国松が自殺するという事件が起こる。新聞では自殺と報じられていたこの事件だが、百合は何か事件の香りを感じ、その現場へと向かう。そこには明らかに銃撃戦を繰り広げた跡が残っており、その調査で陸軍まで来ていた。帰りの電車に乗っていた百合だったが、ある少年が数名の男たちに狙われているところに出くわす。たった1人の少年に対して相当しつこく追いかけ回し捕らえようとしているところを見ていた百合は、その男たちの1人を殺害する。仲間が殺されたのを見た彼らは百合に襲いかかるが、とても太刀打ちできず最後には2人に逃げられてしまう。百合は少年と共に玉の井まで帰ることにした。そしてその少年は名を細見慎太(羽村仁成)と言い、一家で亡くなった細見家の長男だった。また彼は死に際の父親に国家を揺るがすほどの機密事項を預かっており百合に会いに行けと言われたのだという。それを知った百合は彼の持つ機密事項を見て、彼を保護することを決意する。
玉の井に帰った百合と慎太は弁護士の岩見(長谷川博己)と合流し、細見家が莫大な国家の財産を所有していることを知る。彼は元々国軍の人だったが、第一次世界大戦の惨状を目にしこれ以上の増軍を避けるため資金を隠しているのだという。ただこれは陸軍も海軍も知っている。特に陸軍はその資金の期限が切れる前までに何とかして手に入れようと必死になっていた。慎太は細見家の最後の1人であり、父親に大切な情報を預けられている存在として命まで狙われているのだった。最も、電車で彼を襲っていたのは陸軍の人物たちだったのだ。
慎太を守るため、そしてこれ以上戦争を起こさないために百合は、尋常じゃない数の陸軍兵との交戦を決意する。
(あらすじがざっくりとなりすぎたが、まあ正直ストーリーはそこまで大事ではないのでいいでしょう。百合や慎太、細見家の過去や交錯する人間関係など色々と描かれてはいくのだがそこは特に気にする必要ないし、まあご覧になったらお楽しみください。)

綾瀬はるかを主として陸軍との壮絶なバトルを繰り広げる超ダイナミックなアクションが見どころの本作。6発装填のM1917リボルバーを携え見事に陸軍を蹴散らしていく。これは正しく陸軍の脅威。(現役時代彼女は、"最も排除すべき日本人"と称されていたそう。) スタイリッシュで美しい体術と銃捌きで、どんどんと敵を倒していくアクションシーンは観ていてとても爽快だった。またリボルバーの音が重くて恐ろしいのでとてもかっこいい。本当に人が死ぬ銃声って感じがする。
百合の殺し屋らしく冷酷に敵を撃っていく様はとてもかっこいいし、陸軍の弱さも合間ってよく映えている。さすが綾瀬はるかだなぁと感心させられるすごい体術。もちろんアクションは銃だけではなく、近接格闘戦もあるし銃撃戦中の身のこなし方はお見事。ただ今も言った通り、陸軍が弱すぎて大丈夫か?という感じ。清やロシアに勝利し第一次世界大戦でも戦勝国となった大日本帝国の陸軍でしょ?殺し屋の小娘1人にこんなにも壊滅的にやられていいの?って思っちゃう。別にそこが大事ではないし特に批判したいわけではないのだが、これは観ていて本当に気になったし面白かった。しかも百合の無敵具合はとんでもなさすぎる。ネタバレはしないようにするが、最終決戦はまじで体力お化け。もはや超人血清を打ったのかミュータントなのかと思ってしまうほど。死なんやんこの人。これは陸軍が可哀想よ笑
...まあそんなツッコミどころはありつつも臨場感たっぷりでかっこいいアクションを観れたのはよかった。

また百合の仲間、奈加(シシド・カフカ)や琴子(古川琴音)、岩見らも百合をサポートする形でかっこいいアクションを見せてくれるので、観ていて飽きが来ず面白い。彼女ら以外にも錚々たるキャストの面々が集結していて、あ、この人キャラ合ってるなーと思えるのも楽しい(特に佐藤二朗は佐藤二朗すぎる)。にしても豪華すぎるキャストで個性的なので観る甲斐は大いにあると思う。個人的には、シン・ゴジラからだが、長谷川博己が好きなので大活躍で嬉しかった。もちろん佐藤二朗も大好き。いい味だしすぎ。

ストーリーに関しては色々盛りだくさんだったけど、さっきも言った通り特に語る必要はないかなーとは思う。バックグラウンドとか盛り込みすぎて色々ごちゃごちゃしてる感はあったが、でもそこが邪魔してきて理解が難しくなったりとかはないし、あーそういう感じなんだーくらいのテンションで観ればちょうどいいのかも。キーを握る子供を守る殺し屋(用心棒)的な展開はもう散々ありふれているし、そこのドラマ性も大事ではあるが特に改めて感想を言うほどでもないかな笑 面白かったけどね!新鮮さは正直全く感じなかった。


ちょっと鑑賞後間を空けすぎて(最近まじでサボり癖つきすぎてる)レビューしてない映画も溜まっちゃうのでこんなところで締めます。
邦画でここまでクオリティの高いガンアクション、それも地に足がついた(特殊効果盛り込んだりとか超能力系とかではなく)アクションというのはなかなか珍しいと思うし、観ていてすごく楽しかったので映画館で観れて良かったなと感じた。世間的な評価がなーんか低すぎじゃない?とも思うが、多分ストーリーとかでしょう。でもそこまで低くなくていいと個人的には思います笑
続編とかつくるのかな?かなり大規模で壮大な企画ではあるのでつくるとしたら大変そうだが、このクオリティと規模観を維持して観せてもらいたい。綾瀬はるかのアクション映画も全然観れてないので観ようと思う。
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