タキ

野球部に花束をのタキのレビュー・感想・評価

野球部に花束を(2022年製作の映画)
1.0
これが決して強豪校でもない野球部の日常だと思うといったいこのシゴキの意味とは、と疑問がわく。新たに女子部員が入ることでなにか変わるのかと思ったらそうでもなく、シゴキは伝統芸として受け継がれていくのだった。思考停止。この理不尽極まりない仕打ちの数々をいったいどういう気持ちで見れば良いのか。この答えは原作のクロマツテツロウ氏のインタビュー記事の中にあった。これでクロマツ氏の野球人生は成仏したということだろうが、その最中にある人、心に傷を負った人が果たしてコレを見て笑えるだろうか。
押さえつけられて泣きながら頭をバリカンで刈られるシーンが1番ツライ。入部早々にアレをやって反抗心をヘシ折り従順な人間にしたてあげるのだ。なんたる悪しきマッチョイズム。女子部員にしないことは男子部員にもしないでほしい。

野球部に花束を 公式ホームページhttps://entm.auone.jp/camp/yakyubu/

原作|クロマツテツロウ
この作品を描いていた頃は、とにかく野球部時代の悲劇を全部ぶち撒けて、笑いに変えてやろう、
その一心で原稿と向き合っていました。
完結して5年後ー。
映画化が決まり、飯塚健監督の手により、丸坊主集団に再び命が吹き込まれました。
壮絶な撮影現場を見学させていただいて、思いました。
自分はなんて理不尽で無慈悲な原作を描いてしまったんだと…。役者さん、本当にごめんなさいと…。
同時に、『野球部に花束を』を飯塚健監督に撮ってもらえて、
この作品は本当に幸せだなと撮影現場で思ったのを覚えています。
この映画は、言うならば、私の苦しく辛かった野球人生の大団円です。
笑って泣いて楽しんでいただけたら幸いです。
令和よ、これが平成の怪物たちだ。
タキ

タキ