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ビッグ・イン・ベトナムの一のレビュー・感想・評価

ビッグ・イン・ベトナム(2012年製作の映画)
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変な映画で面白かった。俳優の失踪によって撮影が中断した映画の現場を離れてマルセイユの街をふらつきだす中年の女性監督をカメラが追う。立ち寄ったスナックでカラオケを歌うアジア圏からの移民らしき男(佐藤允似)に目をやると、次のショットでは二人がデュエットしている。シチュエーションも面白いが、ここでマイクがずっと軽くハウってるのが余計に笑える。間に挟まれる撮影現場のシュールなベッドシーンでめちゃめちゃスモーク焚いてるのも可笑しい。その後スナックを抜け出した監督と佐藤允の対話が続くのだが、それが望遠のロングショットで捉えられるのも虚実の境界で遊ぶ不思議なかんじ。
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