ぷかしりまる

CLOSE/クロースのぷかしりまるのネタバレレビュー・内容・結末

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

親友が命を絶った原因が、彼を遠ざけた自分にあると認めてしまうと、すべてが崩れてしまう。だから家の手伝いをしたりホッケーをしたり、徹底的に毎日の忙しさに没頭することで、彼の死を悼むことを避けるけれど、苦しみが強迫観念のようにじわじわと漏れ出していく。だから見ているうちにこれは自分の罪を認める話なんだなと予想がついてくる。
それは正直ありきたりに感じたし、ラストはやっぱりこのショットで終わらすんだなという予定調和感があった。そしてなんというか…罪と赦しみたいなクライマックスはキリスト教的だと思った。

少年の瞳から見る世界がみずみずしくてとても苦しかった。遠足帰りのバスから見える保護者の列と不穏な予感。そして少年たちが言葉にしなかった(もしくはできなかった)ことの悲劇。どうしてそういうことをしたのかや、自分はいま傷ついていると言えたなら。涙を流したり、暴力を振るう身体的表現のほかに、言葉にできたなら未来は変わっていたのだろうか