ぷかしりまる

Dream Life(英題)のぷかしりまるのレビュー・感想・評価

Dream Life(英題)(1972年製作の映画)
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都市生活や加齢、生きるための仕事で身体性と創作能力を失った女たちへの賛歌 
サイコーだ こういう映画を見れるって幸せ

ケベック初の女性映画監督らしく、『ソナチネ』(ケベック女性監督の映画)が大好きなぷは、今作を新宿のビデマで買いました。監督のセンスは衣装にも、ユーモアたっぷりの演出にも撮影にも宿っている。ぷが最後に馬跳びやったのいつだっけ。早朝の光を浴びたのはいつ!?

この世界を愛そうとする意気込みが映される無名の人々の姿から立ち上る。たとえばベランダで不味そうにヨーグルトを食うオバハンのインサート。演出だけど墓地でローラースケートやってる人もすごく良い(ロラン・バルトの言うプンクトゥムってやつ)

主人公の女の子たちにとって、大事なのは時間を共有すること。もちろんそれぞれ固有の悩みや考えを持っているけど、攻撃的な議論にならず、言いたいことに耳を傾けコメントしあう関係性で、誰かと一緒にいるってこういうことだよね、と肩の荷がおりる気がした。
尻を触ってきたセクハラジジイに注意するだけじゃなく、恥をかかせて大笑いする女の子たちの声が響き渡る。眩しかった。こうやって生きていけたらな。
「人のためにじゃなくて自分のために作るのよ」 「夢を見るのは終わり」というラストシーン、大好き!

おまけ
英語字幕は短文だからハードルが低いです。耳が慣れてきたフランス語学習中級者には、字幕ありをおすすめします。なぜならケベックフランス語は聞き取れないから(le chein など発音が全然違う)みんなにもこの映画をみてほしい