ナーメテーター案件。目黒くんのファンに連れられて観たけど良い映画だった。
「シンデレラ」型の身分違いの恋愛（軍人と不遇の令嬢＝実質は使用人）に、
「ハンターハンター」的な念能力（異能）を組み合わせて、
「ゴッドファーザー」のような家同士の権力闘争を見せる物語。
こう分析してみると、外すわけないよな…。
まずキャラの魅力がみんなすごくあった。
目黒くんはツンデレの「デレ」が少し早すぎるような気もするけど、最悪の状態からスタートして気持ちを通わせる過程はいつになっても面白い。ドラマは変化。
料理褒められて泣いてしまう時点で感動してたし、朝食もカフェも緊張感のある演出がされていて見応えある。基本的に自信のない人間なので今田美桜にも共感できる。
「ベイビーわるきゅーれ」の高石さんがすごく意地悪に見えて物語の良いスパイスになっているし、渡邊圭祐も嫌な男がよく似合う。
展開的にあまり突飛な出来事はないし、意外とすんなり解決している問題が多いけれど、ヴィランが物語を成立させてる。
時代考証甘くない？っていうところとか、名家なのに暮らしが質素すぎない？とか、細かいところ気にしだすと色々あるし、かなり肝心な部分が「続編に続く...」みたいな感じで語られていない残念さはあった。
設定もかなり複雑で、多くのオリジナル固有名詞を理解するのに割と時間を要するというのもある（SFなのに時代まで変えるというのは結構ややこしい）。悪夢も覚醒したから解決したってことでいいのだろうか...。
とはいえ、二人や親の境遇に関する伏線回収も上手く為されていたし、何よりも役者がみんな魅力的に演出されている良作だった。
『アンナチュラル』や『最愛』の塚原さんやはり信頼できるし、撮影もアップを多用してる感じはあったものの、無駄なことしてなくて好き（無能であることを告白する場面の庭からの窓越しショット好き）。CG含めかなり予算かけていそう。
自分みたいに『silent』で好印象もっていても、誘われなかったら観なかっただろうし、アイドル映画に観られないような宣伝はもう少しできたのではないかと感じた。
ウィッグのヴィジュアルとかも安っぽく見えてしまうし、タイトルも鑑賞後は納得できるものだけど、単体だとあまり魅力的には思えなくて勿体無い。草彅くんや二宮くんのようにアイドルを超えた「演技派俳優」と観られるのってかなり難しいんだな〜と思う。
テーマとしては、人は愛されることで自信を得る、みたいなセリフがあったけど、「家庭環境の人生への影響」ってかなり興味ある分野で、クリエイターは意外と問題のある家庭に生まれている人も多い一方で、やっぱり親の年収と学歴は相関があったりとか、「自信は後天的に獲得できるのか？」「自信は創造力や行動力にどう影響するのか？」みたいなこと知りたい。ガチャをどう物語り再構築するか。
