タキ

ミセス・ハリス、パリへ行くのタキのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

戦争で夫を亡くしたイギリス人の家政婦のおばちゃんが一生懸命お金を貯めて憧れのディオールのドレスを買うためにパリを訪れおばちゃんパワーで周囲の人々を巻き込みながら最終的に1番欲しいと思っていたドレスを手に入れるというお話。
パリにやって来てみれば大統領の政策が労働者のストライキを生み、町中ゴミがあふれかえっている。ディオールも例外ではなく最初はお金持ちの顧客だけを大事にしてミセスハリスを邪険にしてた支配人コルベールが「現金払い」で折れるほど実はディオールも経営的には逼迫している。オートクチュールだけではなく庶民にも手の届く価格帯の香水やストッキングを売る戦略をミセスハリスとの出会いというフィクションにうまく絡めている。フランス到着直後に駅でホームレスと酒盛りして寝込んだミセスハリスが置き引きにあわないのを見た時点で彼女の行動はかなり危なっかしいけど助けてくれる人が必ず現れるんだろうなと確信した。フランス人の侯爵という優しいイケオジと出会いシンデレラストーリーかと思いきや、子供の頃寄宿舎でいじめられていた時にいつも優しくしてくれたモップおばさんに似ていると言われてあからさまにテンションダダ下がってお茶を断って帰るのはちょっと納得いかない。シンデレラストーリーには興味はないけど、あんなに親切にしてくれた侯爵に恋愛対象に見られてなければもういらないみたいな態度はどうかと思う。勤め先の女優の卵に大切なドレスを貸した優しいミセスハリスの取る態度とは思えない。しかし最大の疑問が何回も仮縫してミセスハリスの身体にピッタリあわせて作ったドレスが豊満バディの女優の身体に入るもんだろうか。オートクチュールの意味…。それに(彼女にとって)2番手でのドレスでも燃えたり、川に捨てたりするのも胸が痛む。
テーマは素敵なんだけど、ちょいちょい引っかかるとこがあって、いわゆるおばちゃん的自己中と片付けるのもなんだか違うような気がしている。
タキ

タキ