イッテルビウム中田

ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界のイッテルビウム中田のレビュー・感想・評価

5.0
地下への大冒険と同時に三世代の親子間の葛藤を描いた作品。

父イェーガーの押し付けに反発するものの、同じように息子イーサンに未来を押し付けていたサーチャー。やはり親子なのか、挙動を含め似ている部分が多々ある。
イェーガーの粗暴な部分に嫌気が刺していたサーチャー。後にサーチャーが提案する農薬駆除に対してイーサンが同じ感情を抱いていたことはなんとも皮肉である。

この手の映画を視聴したことある人はなんとなく察することができるだろうが、世界観の作り込みは実に丁寧である。
(私はポケモン映画『ミュウと波動の勇者ルカリオ』がお気に入りだったのでなんとなく察した)

駆逐か共生か。目の前の敵を排除するのではなく共生しようと考えるイーサン。オープンなゲイであることを含め、イーサンは〝新しい世代〟らしい考え方をしている。

余談だが、近年に製作されたディズニー映画は、どれもポリコレへの配慮に偏りすぎていると言われている。多様な人種に関しては特に違和感がなかったものの、同性愛や片足が欠損した犬といった要素をどうも受け付けない人もいただろう。
同性愛や犬の要素(個性)は果たして必要だったのだろうか?と本編視聴後に感じた。とはいえ、そういった要素が特に気にならないくらいには世界観はストレンジであった。