鬼や、みんな鬼や！
100年前の事実がめちゃくちゃな胸糞すぎて、見終わったあとに最強の虚無感に襲われるだろう。
関東大震災朝鮮人虐殺事件は歴史の教科書で少しだけ触れたことがある。震災の混乱の中で「朝鮮人や共産主義者が井戸に毒を入れた」というデマが流れ、それを信じた官憲や自警団などが多数の朝鮮人や中国人、共産主義者を虐殺した事件だ。その犠牲者は6000人以上とも言われる。(諸説あり)
日本で起きたこの大虐殺を全体像として描くことも出来たかもしれないが、あえて千葉県福田村で起きた1つの事件を視点に描くことで、より身近な現実味として訴えるパワーは増していると感じる。この事件では、香川県からの薬の行商団15名が朝鮮人と間違われ9名が殺害されるが、「じゃあ朝鮮人ならよかったのかよ！」という矛盾が腑をえぐる。
朝鮮人のイメージを下げるために平気で嘘をつく新聞社、自らの正義感を満たすために事実の裏取りをしない自警団、噂話にいちいち感情を動かされる住民。朝鮮人の赤ちゃんに何の罪があるのか。
昔の人は酷かったなあ...で済むのだろうか。
今のメディアは全て本当のことを報道しているのか、曖昧な情報を根拠に誹謗中傷で袋叩きにするネット民。SNSのデマに感情的になる人たち...
現代でこれが起きたら昔の人よりマシな結果になるとは思えない。100年経った今こそ過去の反省から学ぶべきであり、多くの人に見て欲しい。
【良かった点】
・テーマ
・キャスト
【悪かった点】
・キャストにお金をかけすぎた分、映像は安っぽい。
・長い。15分〜30分なくてもいいシーンがある。
【余談】
東出昌大さん、また不倫してます。
なんだか感慨深いです。
今週水曜、5時に夢中に東出さんが来るのぜ予習として試写にて鑑賞。
