ポスターとタイトルと監督でてっきりドキュメンタリーかと思ったらまさかの名作。
2023年の邦画なら文句無しのベストシネマだと思う。
各キャラの丁寧な掘り下げがクライマックスのシーンの各々の行動に説得力を持たせてる。実話なのにドキュメンタリーぽさは無くエンタメとして楽しめる。これはシンプルに魅せ方だと思うけどカメラワークや音楽が本当に際立ってたと思う。
内容に関してはパラサイトを思い出した。無意識に入り込んでる差別的意識。前半パートから徐々に潜在的に積み上げてきたその意識を鑑賞者側も無意識に持って行かれてた分、「朝鮮人なら殺していいのか？」というクライマックスの台詞に度肝を抜かれる。
そしてその言葉によって復讐に燃えた女性が火蓋を切る。このどす黒い感情の波が徐々に押し寄せてそれが限界を迎える瞬間はまさに「パラサイト」のラストシーンを彷彿させる。
社会的なテーマとして、外国人が増えてきている今こそ刺さる内容だし映画としての面白さも凄い（所々必要あるかわからたいシーンはあったが）
日本アカデミー賞にノミネートされていて良かった。日本アカデミー賞のセレクトは全然期待してないんだけど。
