わわう

ロスト・キング 500年越しの運命のわわうのレビュー・感想・評価

3.9
イギリスのお話だからという理由で観ました。
研究者とかでもない普通のおばさんが、ちょっとしたきっかけからリチャード探しにのめり込んでいくお話。
実話を元にしたお話だけど、主人公にだけ見えるリチャード3世が出てきたり、ちょっとファンタジーな感じもある作品で、歴史ものというよりは、あしらわれる女や過小評価され正当な評価を得られなかった人たちを描いた話なんだなと思った。

フィリッパの望みは、自分の功績を認めて欲しい!ではなくあくまでも、リチャード3世を正式な王として認めて欲しい、なんだね。
最後にそれが2018年に認められて、フィリッパ自身にも称号?が与えられたって文字で出るけど、映画の終わり方としては、これが現実か。。という感じで結構もやもやを残す印象だった。

フィリッパは、〜と信じてる。〜だと感じる。みたいな言い方をしがちで、そのことについて味方になってくれた女性議員から「感情的な言葉を使ってはいけない、それを理由に下に見られるから」みたいなアドバイスをされる場面がある。
確かにな…と思うと同時に、でも、フィリッパは信じてるからリチャード3世の姿が見えてるんじゃないかという気がした。だから、彼のことを疑うといなくなってしまうんじゃないかな。

リチャード(3世)とリチャード(大学職員)とリチャード(大学教授)とジョン(元夫)とジョン(研究者)とサラ(元夫の恋人)(姿は出てこない)とサラ(議員)が出てきて頭こんがらがる…笑 けど、たぶんこれ意図的になんだよね…たぶん。
わかりやすく手柄を横取りしてくる職員リチャードが嫌な奴なのはもちろんとして、教授リチャードも良心が痛むと言いながらも結局行動には移してはくれない。フィリッパはリチャード3世の甥殺しは事実ではないと信じてるけど、出てくるリチャードたちの印象を踏まえると…どうなのかな?と少し思った。実際のところは謎のまま。
シェイクスピアのリチャード3世の話を知ってれば、また印象は違うのかもしれない。

サリー・ホーキンスの演技はもちろん良かったし、フィリッパの黄色いセーターが可愛かった。
リチャード3世役の人、ドクターフーでファミリーのリーダーをやってた人だ!と思ってそれも嬉しかった。
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