ぷかしりまる

After Blue (Dirty Paradise)(原題)のぷかしりまるのレビュー・感想・評価

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日本でも上映されたらきっと人気出る。王家衛4Kリマスターは鮮明な色彩感覚が今なお愛されていることの現れで、お次はこの監督のガーリーで繊細な色使いが流行るのでは
LARMEの表紙のようにもやがかかったパステルカラーのライティング、ロムアンドのキラキラグリッターを敷き詰めたような世界観は唯一無二。それでいてコララインのような不気味なオブジェ/設定と、個性豊かな美女たちの組み合わせ。まるで宝石のような映画。編集で色調調整してるんじゃなく、全て計算して35mmで撮ってるみたい。
お話はこんな感じ→アフターブルー(プラネット)には女しか居なくて、主人公のトキシックは海辺にて封印された創造と破壊の神?ケイトを解放してしまう。するとケイトはその礼としてトキシックの内なる欲望を3つ叶えるという。ひとつ目の願いとして、ケイトはトキシックとノリの合わない友人3人を殺害する。トキシックはそれが原因で母親と共に共同体を追放され、ケイトを殺す旅に出る。でもちゃんと書けるあらすじはここまでで、あとは酔っ払いの妄想なのか、超次元的な力なのか、夢なのかごちゃ混ぜでいつの間にか時間が巻き戻っていたりで何をやっていたのかよくわからない。会話は詩的で、ぷの英語力がまだまだってこともあるけど、どういう比喩??って感じだった。寝落ちしてしまって何日かに分けて観たのだが、その度にヘンテコで鮮明な夢を見た。
自分の体を撫でて愛おしむセルフプレジャーの描写が好き。重ね合う唇からとろりとした液体が零れ落ち続ける場面も上品で良かった。それ以外の場面はエロティックだけど独特の意味不明さがある。たとえば乳首から黄緑色のグリッター(?)とダイヤモンドの塊が飛び出す場面。これは意味不明エロティックという点で思い出さずにはいられないバタイユの眼球譚よりもまだ受け入れられる。眼球譚、少女が椅子の中で逆立ちし、肛門を緊張/弛緩させ卵を出し入れして、絶頂に達するとグニャっと卵を割る場面の衝撃はずっと忘れられないと思う。でも文体は官能的だったんだよね