それぞれ独立したストーリーなのかと思いきや、ひとつの事件をきっかけにそれらが繋がっていく。
簡単に言うと新垣結衣演じる主人公のマイノリティ視点側なのか、マジョリティーである稲垣吾郎サイドなのか…自分はどちらだろうと考えた。
いや多分新垣結衣視点をマイノリティと考える事自体そもそも誤っている。
性嗜好に主にクローズアップされていたけど、何もそれは性嗜好だけの話じゃなく普通とされる枠組みから外れているなら自分自身もマイノリティに入る。
新垣結衣演じる夏月の生きる気力の無さ。地球に自分の居場所は無いと感じている。何を食べても砂を噛んでるようで美味しくなさそうで、生きる為に食べてる感じ。
普通の枠組みから外れてる人間は、よそからあんな風に不幸そうに見えてるのだろうか？ 新垣結衣のああいう役は初めて見たのでとても評価できると思うがそこまで不幸そうに演出する必要があるか？とも思った。
そこで気付く。幸か不幸かで他人や自分を判断する事も生きることを息苦しくするだけなのではないか…？
磯村勇斗がとてもいい。重いものをずっと背負ってきた雰囲気を出せる俳優ってなかなかいない。
自分の価値観の範疇に無い人の生き方をなかなか認められない稲垣吾郎の演技も良かった。
独りきりでも、そうじゃなくても誰もが居心地よくいられる地球にしていかないといけないな…
