垂直落下式サミング

恐怖の振子の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

恐怖の振子(1961年製作の映画)
3.8
スペインの城主のところに嫁いだ姉の死を調査に来た男が、狂った城主によって捕らえられ、地下牢獄内の大仕掛けによって命をおびやかされる恐怖を描くゴシックスリラー。
監督は低予算映画プロデューサーとして有名なロジャー・コーマン。作家として手腕を振るった作品は広く知られていないが、ホラー・サスペンスの先駆として文化史に名を刻むべき偉大な監督だ。そこらの中途半端なアートかぶれよりも、よっぽど映像文化の発展に貢献している。
巨大な刃のついた振子が男の真上で動き出す場面はかなりスリリング。「ガッコン…ガッコン」と金属が接触し擦れる音、「ギイィィ!キリキリキリキリ」と歯車が軋む音、「グワン…グワン」と自分の腹の上を通り過ぎる刃が空を切る音、不気味な壁画と揺れる影、断崖絶壁上の古城と、色調を変えたサイケな映像のインサート、振子の往復にあわせてそのカットが切り替わる映像は、感覚に作用し不気味に恐怖をあおる。
邦題のタイトルの正しい読みがよくわからなくて、ネットでは「ふりこ」と書いてあるけど、この映画の存在を知った雑誌には「しんし」と書いてあった。どっちが正しいの?教えて偉いひと!