ポンコツくん

ジョン・レノン 音楽で世界を変えた男の真実のポンコツくんのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

個人的にこれまでいくつかの伝記を読んで、バンド時代やソロでのアルバムを聴いていて、エピソードを掘り起こして、影響を受けてきたジョンレノンの事をそれ程大ファンではない、むしろ音楽ファンであれば勉強しておくべき基礎知識みたいな人物として捉えて来ましたが、ごく最近になってああやっぱり僕は彼の大ファンだったのかと気付きました。
なので真新しい発見のあるドキュメンタリーかと言われれば決してそういう作品ではありません。
ですが、英雄的な伝説のロックスター以前の屈折していて粗野でとても可哀想でありだけどどうしようもない劣等生としての、だけど確かにその後に素晴らしくとてつもない輝きを放つダイヤモンドの原石としての10代の頃の彼をきちんと誠実に捉えようとしていると感じました。
僕がこれまで見聞きして来たビートルズ以前のジョンに関するドキュメンタリーの中では最もローカルで、最もたくさんの実際の当事者の目線を取り入れたものだったと思います。
ファミリーヒストリーのようにジュリアやアルフレッド以前のレノンの血筋を遡る事もなかなかないと思います。
僕は彼のファンなら観ておいて損のない映画になってると思いました。

間違いなく世界一の歴史上最も偉大なソングライター、ミュージシャンであり、今なお最も影響力のある活動家で平和主義者でもあるパブリックイメージと、甥っ子として友人として、生徒として、この映画では描いてはいませんが、夫としてそして何より父としての駄目だけど憎めない1人の男としての顔が共存している事が僕は彼の一番の魅力だと思っています。
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