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葬送のカーネーション
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葬送のカーネーションの作品紹介

葬送のカーネーションのあらすじ

荒涼とした冬景色のトルコ南東部。 年老いたムサは、亡き妻の遺体を故郷の地に埋葬するという約束を守るため、棺とともに旅をしている。 紛争の続く場所へ帰りたくない孫娘のハリメだったが、親を亡くし、仕方なく一緒に歩いている。 亡き妻とともに故郷への帰還を渇望するムサ。旅で出会う様々な人たちから、まるで神の啓示のような“生きる言葉” を授かりながら進んでゆく。 国境、生と死、過去と未来、自己と他者、棺をかつぐ祖父と孫娘の心の融和。 トルコから届いた3人のおとぎ話は、境界線の先に小さな光を灯す。

葬送のカーネーションの監督

葬送のカーネーションの出演者

原題
Cloves & Carnations
公式サイト
https://cloves-carnations.com/
製作年
2022年
製作国
トルコベルギー
上映時間
103分

『葬送のカーネーション』に投稿された感想・評価

kuu

kuuの感想・評価

3.7
『葬送のカーネーション』
原題 Bir Tutam Karanfil/Cloves & Carnations      
映倫区分 G
製作年 2022年。上映時間 103分。
劇場公開日 2024年1月12日。
トルコの気鋭監督ベキル・ビュルビュルが、亡き妻を埋葬するため棺を背負って歩き続ける老人とその孫娘の旅を、リアリズムと虚構を交差させながら描いたトルコ・ベルギー合作ドラマ。
シリア出身で、戦争から逃れるためトルコに移住した新人俳優シャム・シェリット・ゼイダンが孫娘ハリメ、トルコの映画・舞台・テレビドラマで活躍するデミル・パルスジャンが祖父ムサを演じた。
2022年・第35回東京国際映画祭『アジアの未来』部門では『クローブとカーネーション』のタイトルで上映されている。

荒涼とした冬のトルコ南東部。
年老いた男性ムサは他界した妻との約束を守るため、彼女の遺体を故郷の地に埋葬するべく棺を背負って旅をしている。
紛争の続く地域へ帰りたくない孫娘ハリメは、親を亡くし仕方なくムサと行動をともにする。
彼らは旅の途中で出会ったさまざまな人たちから、神の啓示のような“生きる言葉”を授かりながら進み続ける。

『葬送』って、死者と最後の別れをし、火葬場、墓地に送り出すことだそうだ。
また、そのための儀式で、古くは、ってか、以前なら、野辺送りの方が耳馴染みがある。
しかし、先日、嵌まりにハマったアニメの2期が終了し『続編制作の発表なし』ってニュースにフリーレン・ロス中のお陰で『葬送』は温かみさえ感じる言葉となってる。
そんな『葬送』を邦題に冠してる今作品は、自分の死体を祖国に埋めたいと願う難民が、ムサという名の祖父とハリメという名の孫娘を通して国境を目指す物語でした。
そうすることで、映画は主人公たちに語らせることなく、祖父と孫娘の異なる世界、感情、思考、未来に対する意思を映像と出来事を通して伝えている。
この点から、今作品は観客に、場所に縛られること(祖父)と、場所に属さず夢に逃避すること(孫)の違いを示したいよう。
そして、それは実現していた。
今作品の脚本家であるビュシュラ・ビュルビュルは、今作品の監督であり彼女の夫でもあるベキル・ビュルビュルの祖父に関する新聞記事が、今作品のインスピレーションになったと述べている。
亡くなった親族を祖国に連れ帰りたいと願う難民が、一緒に暮らした祖父の村に行き、そこで死にたいと願うというニュースを読んだとき、脚本は明白になったに違いない。
難民であると同時に、オリジナルとの再会を望む人物の物語が浮かび上がってきたんやろな。
したがって、自分の死体を祖国へ運ぶ男の物語が表面的に流れる一方で、最愛の人との再会と祖国へ行こうともがく人間の旅が映画全体に流れている。
ラストの結婚式のシーンでは、祖国で死ぬことの幸せを描いていると思った。
旅先では、新聞に頻繁に出てくる難民虐待のニュースが十分に評価されておらず、この問題を読者を揺さぶるような厳しい表現で伝えるべきだと思う。
おそらく、今作品が難民問題を大きく抱えてる国の反難民感情の高まりに注意を喚起することを期待していたんやろな。
今作品が難民の物語、ドラマとして提示されたことも、それに一役買っていたのかもしれない。 監督と脚本家が、現在のトルコにおける難民の物語ではなく、この世で難民となった人物の物語を語りたいのだと気づいたとき、今作品に別の何かを求めた。
難民のドラマというよりは、棺桶を国境まで運ぼうとする男のようやった。
難民主義や難民のドラマについてのメッセージや感動はあまりない。
今作品で気に入った点は他に2つある。
ひとつは冬の季節の山と平野の風景、もうひとつは自国の人々の平凡な状況が自然体で描かれていること。
誰もが自分の世界と自分の悩みに浸っている中、祖父は棺を自分の国に運ぶこと以外には関心がなかった。
ハリメはそんなこととはつゆ知らず、自分の世界に生きている。
一方では、女としての本能で髪を弄び、おもちゃをゴミ箱に捨て、子供時代を捨て去り、他方では、絵を描くことで戦争時代を背負う。
彼女もまた、自分自身の旅と青春を歩んでいる。
だからこそ、監督と脚本家は、この世界の難民であることを思い出させてくれる。
映画を通して、ラストシーンまで棺の中にいるのが誰なのかわからない。
祖父の妻なんか、孫娘の母親なのか。
ラストシーンでは、棺の中に誰がいるのかがわかる。
ハリメと話す祖父と、絵で気持ちを伝える孫娘。
ハリメの絵を見たとき、多くを語る必要はない、戦争による痛み、破壊、貧困は絵でしか表現できないのだと気づいた。
一刻も早くこの世を去りたい祖父と、この世にとどまり家族と一緒に家で暮らしたい孫娘は、同じ人間の裏表のようなもの。
したがって、祖父と孫娘は我々であり、我々の異なるバージョンでもある。
一方はハリメであり、もう一方はムサである。 そうでなければ、私たちは完璧を達成することはできないし、生きることもできない。
祖父の悲痛で世を忍ぶような、何の期待も抱いていない態度は、見る者に感動を与える。 
席を立って棺を運ぶのを手伝いたいと思ったほどやった。
棺の中にいるのは死者なのか、それとも祖父なのか......。
墓場まで生き延びようとする死者のように思えた。
肉体の欲求をまったく感じさせないのは、まるで魂が自分の肉体をロバのように使い、用が済んだら井戸に投げ込もうとしているかのようやった。
我々が生きている時代から独立しているこの映画の特徴のひとつは、都市や町、目的地の国についての言及が一切ないこと。
これにより、観る者の注意を国ではなく、難民自身に集中させることができてる。
彼が旅先で出会う人々は、世界中のさまざまな性格やタイプの人々であり、葬儀とカーネーションの関係、葬儀の後にハリメが残したカーネーションのひとつまみ、あるいはハリメが描いた絵にちなんだものなのか、それとも私の知らないカーネーションの意味なのか、この映画がなぜこの名前なのか、ずっと考えていた。
これ以上話して、映画を見る楽しみを台無しにするネタバレはしたくない。
だから、上手く纏まらない文章ですがこれにて。
ワンコ

ワンコの感想・評価

5.0
【記憶と現実と未来と】

余韻も含めて考えさせられる作品だと思う。

「葬送のカーネーション」のフライヤーには、これは寓話だという表現もあったが、僕は少し異なる視点からレビューを書いてみたくなった。

僕たち人類の祖先が文化的な生活を送っていたのかの大きな指標となるのは、壁画などの芸術活動は当たり前だが、もうひとつ重要なものとして埋葬習慣があったか否かがあげられる。

僕たちの直接的な祖先であるホモサピエンスも、現世人類の遺伝子に数%痕跡が残るネアンデルタール人もデニソワ人も、家族や仲間を埋葬した痕跡が残っているのだ。
そして、こうした原始宗教的な埋葬習慣は現代の宗教とは全く関係がなくて、宗教文化的な意味としては最も古い僕たちのDNAに刻まれた記憶なのではないのかと思う。

難民というアイデンティティの喪失感。
亡くなった妻の希望を叶えたい。
ただ、背景に潜む現代宗教の教え。
これは、僕たちに刻まれた原始宗教的なDNAの記憶とは異なり、形骸化された現代宗教の影響が大きいのではないのか。

阻む武力紛争。

(以下ネタバレ)

こうした紛争を中心に何も解決しない形骸化した宗教の教えに対して、リスクを犯してまで故郷に戻ろうとする意味を理解できない孫娘のハリメ。
しかし、寒さを凌ごうと棺をハリメのために使わせる祖父ムサの優しさ。

対比されるムサとハリメ。

大切なのは、埋葬する場所やイスラム教の教えより、ハリメのように優しかった祖母の姿を記憶を辿り描くことが出来ることではないのか、そして、美しいものを美しいと理解しカーネーションを添えることが出来る人の心ではないのか。これが人を文化的な存在たらしめた最も古い人間のDNAに刻まれた記憶の痕跡なのではないのかということだろう。そして、こうしたものが相まって、僕たちに備わっている死者を敬う鎮魂の記憶になっているのではないのか。

しかし、ムサの根っこのところにある優しさに加えて、更に明らかになった妻の希望を大きな理由としていたが、切に帰りたかったのはムサ自身なのだとの示唆。

もしかしたら、ムサは死場所を求めたかったのかもしれない。

対して、これからも生きていかなくてはならないハリメ。

二人の間には超えることが出来ない金網フェンス以上の高さがあるようにも思える。

愛する妻を亡くしたムサの絶望と、アイデンティティ、更に根っこのところにある優しさを理解しなくてはならないと思う一方、大切な命やハリメも含めて多くの人々が安心して過ごせる未来を考えると、なかなか良い答えには辿りつかない。

世界は二項対立だけで答えを導き出すことは出来ないのだ。

「葬送のカーネーション」の物語は淡々と展開するが、ムサとハリメの心情の揺らぎを通じて様々なことを考えさせられる。

やはり、これは寓話などではなくリアリティではないのか。

そんなふうに僕は思う。
netfilms

netfilmsの感想・評価

4.2
 ユルマズ・ギュネイ、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン、セミフ・カプランオールに続く4番目のトルコ監督登場となる衝撃的な映画である。前方座席で行われるキノコ料理の他愛ないやりとりとは対照的に、後部座席に座る実に50歳以上年の離れたお爺さんと少女の様子は何やら深刻で目が離せない。棺を担ぎ、国境まで向かう旅は正に静謐なアッバス・キアロスタミという印象で、すぐに目的地にたどり着くのではなく、様々な迂回や困難を伴う。2人の関係性は説明されないため、想像するしかないものの2人の関係性は恐らくお爺ちゃんと孫である。荒涼とした冬景色のトルコ南東部アナトリアは雪は降らないものの、凍てつくような乾いた寒さがフレームから軋む。年老いた難民の男ムサ(デミル・パルスジャン)はどうやら年老いた妻に、死んだら故郷に骨を埋葬して欲しいと頼まれていたようで、大事そうにすっかりおんぼろになった棺を抱えながら、遺体を国境を越えた故郷の地にまで運ぶ。ことの重要性を理解せぬ年端も行かぬ孫娘ハリメ(シャム・シェリット・ゼイダン)にはその意図すら判らず、ただただ途方に暮れる様子が印象的だ。

 寡黙なお爺ちゃんと愛想のない孫娘のロード・ムーヴィーと言えば聞こえは良いが、2人の関係性も今一つよくわからぬまま、棺は国境沿いに鈍重に向かって行く。川口のクルド人問題を思い出したが、少数民族は言葉も理解出来ない棄民同然の姿で、それでも一つの目的をもって棺と旅に出る。まだまだ遊びたい盛りの少女はまだ両親を失ったことを理解していないのだろうか?だが少女が不意に描いたスケッチ・ブックには彼らの過酷な境遇がしっかりと映し出されている。ロード・ムーヴィーとは言え、この辺りの地政学的な尺度には明るくない私が言うのも憚られるが、恐らくトルコ国境沿いから妻の故郷として目指すのはシリアかイラクだろうか。アラビア語しか話せないお爺さんとは対照的に、少女はトルコ語を操ることが出来、そこに僅かな光明を見る。キアロスタミの愛弟子のジャファール・パナヒの『熊は、いない』同様に隣国への越境は文字通り命懸けで、命を懸けたサヴァイヴになるのだがある地点から地点へ涙ぐましい努力を続けて来た2人の足取りと過酷な現実。喪の作業は皮肉にも結婚式という生の儀式に繋がるのだが、年老いた男の背中に故郷を奪われた者の悲哀が滲む。

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