ロンドン警視庁の新米警官アンディ（ジミー・ハンリー）はベテランのジョージ（ジャック・ワーナー）の家に下宿することになるが、ある日、強盗トム（ダーク・ボガード）と鉢合わせたジョージが撃たれてしまう。警察は仲間の敵を討とうと、総動員で犯人を追い詰める。
ほぼ警察密着ドキュメンタリー。ただし、舞台は1940年代のロンドンだ。
警察署にやってくるいろんな人たちの顔と、それに対応する警察官たちのやり取りがちょっとコミカルに描かれていて、それだけでも見ててけっこう面白い。
ただ、家出に鍵泥棒に宝石強盗にと、すべての事件が繋がっていき、街の前科者までが事件の行方に絡んでいくストーリーは良く出来ていた。
それに、引退間際のジョージ夫妻は戦争で失った息子に重ねて若いアンディを可愛がり、一方で同じ若い世代のトムたちは行き場をなくして犯罪の世界に落ちていくという、時代背景をしっかりと見せているところも見事。
クライマックスのレース場での捜査は、撃たれた仲間のために警察官たちが立ち上がる姿にアツくなる！
犯人役ダーク・ボガードは初期の出演作なんだけど、後の「召使」「ベニスに死す」を思わせる、何とも不気味で気持ち悪い演技が強烈だった。
