ヘアバンド侍

オットーという男のヘアバンド侍のレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
4.0
無骨で不器用なおじいさん。
全てに対して怒りに満ちていて、
世界で唯一大切な奥さんがいなくなった今、何にも価値を見出せない。

それなら命を断とうとした辺りから、
何気ない日常や出来事の延長線上、
世界で唯一大切な奥さんが遺してくれていた
周囲との繋がりや縁に気付いていく。

そこに気づく過程で、
向かいに越してきた家族によって、
初めて奥さんに関わる以外での絆を見出す。

時間の流れは常に順行。
尊ぶべき過去は数あれど、
時として、前に進む勇気を試される。
その勇気の糧にこそ過去は活きる。

寿命を全うするという選択を彼自身の人間性が支えたのかというとそうではないと思う。
新しく出来た繋がりや何より大切な奥さんへの想い。
人はいくつになっても変われる。

別件、
氷猫は死んでる様にしか見えなかったのと、
CG猫だけすんごい気になった。