ヘアバンド侍

ジョーカーのヘアバンド侍のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.8
解釈の幅は人次第、狂人の頭の中は誰にも分からない。
筈なんだけど、狂人構築の解体新書みたいな作品。

えぐみの凄い貧困層に巣食う闇。
民衆が扇動する暴動。
皮肉に満ちた弱者をネタにする風刺。

決してヒーローでもないし、
何かを救う行動をしている訳でもない。

ただ、社会における強者>弱者の構造を
貧困や障害、家庭環境等、あらゆる角度から
ハイライトした中でひたひたと向かっていく
ラストパートは、爽快の域にさえ感じる。

集団を成す事で正当化する人間の脆さや
純然たる理不尽への怒り、
振り切ってしまった人間の怖さを
ジョーカーというキャラクター/カリスマ性に乗せて
上手く昇華させていたなと。