Oto

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)のOtoのレビュー・感想・評価

3.8
神回。黒の組織との絡みも多くて、危険度がずっと高い。
過去のコナン映画は駄作(手抜きのコメディをサッカーボールで強引に締めるタイプ)も多いけど、評価通りの面白さ。

これ以上ない絶体絶命のピンチ(決定的な秘密が組織にバレた上に重要人物が拐われる)を起こした上で、結果的に本筋には大きな影響を与えずに物語を閉じる、という劇場版として最高に緻密なシナリオ。
脚本家が手練すぎるなと思って調べたら、案の定ミステリー邦画の巨匠で、コナン映画の重要回も多数手がけている方だった。

Deepfakeとか新しいテックをトリックにふんだんに使う感じ良かったし、「老若認証」は素晴らしい設定。コナンや灰原にとってすごく嫌なものだし、組織が欲しがるもの。
世代や人種を超えよう、見知らぬ人にも親切にしよう、というテーマとの相性も良い。変装していた同一人物の男女を同じ声優が演じているのも後から知って驚いた。

個人的には灰原の見せ場が多いのも嬉しいけど、キャラぶれてないか...?。終盤の三角関係はロマンチックすぎてさすがに笑ってしまったし、灰原大好きだった中2の自分がみてたら、こんなんじゃない!ってなってた気がする。コナンのような自信が欲しい人生だった…。

さすがに無理があるだろ!という展開もあったし、相変わらずウォッカが頭悪すぎるけれど、スピッツが全てを浄化してくれる。ネタバレを避けると語りづらいので、詳細の考察など含めてコメント欄で。

とはいえ、ベルモットに関する伏線回収の美しさ、赤井×安室、アクションなど、かなり満足度が高い1本。
大手シネコンの大型IPコンテンツとなると思うところや抵抗もあって今まで劇場で見たことなかったけど見て良かった。

10年くらい放置してたコナンのアニメも、一気に重要回だけ見て追いついたけど、そこで気づいた法則。 
・犯人候補のうちの嫌な奴は、一番最初に殺される
・行けない場所には、鈴木財閥の力で連れてってくれる
・(元太に限らず)子供がすげえ!って言った建物は壊される
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