リプリー

みなに幸あれのリプリーのレビュー・感想・評価

みなに幸あれ(2023年製作の映画)
3.9
もとの短編や予告編を見ずに鑑賞。
こういう田舎ホラーは大好物なので楽しみた。しかも新進気鋭作家によるホラーは映画ファンとして応援したい気持ちもある。
設定的に一部Mナイト・シャマランの「ヴィジット」を思い出した人も多いんじゃないだろうか。
もちろん、本作は全然違う展開を迎える
て、そこが程よく奇妙でぶっ飛んでいて、でも少し予定調和でこのバランスは大変好み。
ただ、映画の後半はさすがに無理のある展開が目に付くし、演出のさじ加減なのか軽妙さ、あるいは重厚さ(どちらを目指したのかは分からないが)に欠けるのが残念なところではある。それこそ先述したシャマラン監督ならもっと巧みに、楽しくも怖いエンタメとして成立させたに違いない。
とは言え、その荒削りさ、ある種の物足りなさ、尖った感じこそ本作の魅力だと思える。
劇場はなかなかの入り具合。こういう映画の注目度がもっと高まるといいのにな、と思う。