幽斎

コバート・オペレーション CIA極秘計画の幽斎のレビュー・感想・評価

3.0
C級スリラー(ホラー)をレビューする、Scavengerシリーズ第26界。原題「Art of Deception」直訳すると美しき欺瞞、うーん、何言ってるかチョッとよく分らない(サンドウィッチマン富澤風(笑)。AmazonPrimeVideoで0円鑑賞。

Richard Ryan監督、製作、脚本、編集、主演(笑)。いやぁ~此処まで清々しいと逆に応援したくなる超低予算インディーズ。作品より監督のバイオロジーを掘り下げた方が面白い。身長180㎝とアメリカ人では低目ですがジムで働いた経験を活かして俳優を志し自ら映画制作会社Ox Filmsを立ち上げ、短編映画やTVのプロデューサー、俳優としてCM出演や結婚式の司会など、中々の苦労人。

彼の代表作2015年「Fortune 500 Man」監督、製作、脚本、主演ですが、彼の人生を投影した立身出世のビジネスマンを描いた作品は、高く評価されDVDの売り上げも好調。日本の女性にも好かれそうなマッチョなイケメン、アベンジャーズに紛れ込んでも違和感無いかも。日本では当然ですが本作が初見参。

見る前は典型的なオレ様ムービーと思いましたが、長年の経験を活かして他の作品を横目で見乍ら「俺だったらコウするな」と言う着想を活かした、手堅い作りが逆に好感触。ジャンルは深夜映画の定番ポリティカル・アクション、話が飛びますけどアメリカの三大ネットワークの深夜枠は、本作の様な映画を毎日垂れ流す風習が有る。日本で言う午後ロー。正真正銘の自作自演映画なので、見る方が泣けてくるレベルだが、破綻しない程度に纏めた手腕を寧ろ褒めたい。

監督はCIAに従事した研究員だが、肝心のオフィスが「全く」ソウは見えなくて、学校の理科の実験室より貧祖?と思ったり超低予算でコンパートメントもミニマムなので、コレなら熟女モノのAVスタジオが良いかも?とかソウ言うツッコミは可哀想なのでヤメよう。ネズミの実験も意味不明だが、奥さん役Jackie Novaが拷問でペンチで「歯」抜かれるシーンは地味に笑える。だって歯を抜かれてもアラ不思議、また生えてるんだもん(笑)。Jackie Novaは製作総指揮なので元を獲ろうとハッスルしてた。

良い点は看板である格闘シーン。汗臭い映画が苦手な私でも「おぉ」と成るアクション・シークエンスは見応えアリ。超低予算映画のアクションって、基本的にコレオグラファーを雇う金が無いので、高校生の学園祭と見間違うナヨナヨした感じでお茶を濁す事が多いが、監督がアゴの形を見れば一目で分るマッシブな身体を活かした演出、敵役も偉大なるBruce Leeをオマージュした負けず劣らずな近接格闘を披露、此の場面だけ普通の映画を観たお得感は有る。キャストも監督の人脈を生かした適材適所だが、クライマックスがアッサリ塩味なので、もうチョッと予算が有ればと投げ銭したく為った(笑)。

仕事終わりに缶ビール片手に観るのに丁度いい按配と思えるので、暇潰しに為るかも。
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