ジブリならば宮崎駿よりも高畑勲が好き（というか宮崎駿というマッチョな人物が家族とか上司とか仕事相手だったら絶対いやだろうな、と思うし、鈴木敏夫について何か語ろうとすると苦虫を噛み潰した感じの顔になる）というタイプの私ですが、今回の作品は、地位も名誉も手に入れた老人による身の回りやら次世代やらへの大人気ないタコ殴りで、これまで辞める辞める詐欺で幾度も復帰してきた宮崎駿が、今度こそ本当に最後の作品にする気でやったんだな、という感じがして（別にその前の辞める辞める詐欺の時だって、本人は都度そのつもりだったんだろうけど）、その何歳になってもアグレッシブというか青臭い感じにちょっとほだされてしまい、宮崎駿映画だけど嫌いじゃないな…という作品になりました。そういうコンテクスト込みでの評価なので、映画そのものの★の数ではないけど、そういう評価にならざるを得ない作品だな…と思います。生まれて初めて見る宮崎駿作品としてはあんまり向かないかな。
