リプリー

マダム・ウェブのリプリーのレビュー・感想・評価

マダム・ウェブ(2024年製作の映画)
3.5
ヴェノム以降、いわゆるSSU作品には期待しないことにしたので、本作も60点満点で65点あれば嬉しいかな、とは思っていたが結果甘めに見て50点といったところだった。
早い話がオリジンはつまらない! に尽きると思う。ましてや、こんな知名度の低いキャラクターで。普通の映画なら冒頭10分とか15分、長くて30分で処理する展開を2時間かけて見せられているのだ。終わると同時に「え? 面白くなるのここからだよね?」と口ポカン状態になってしまう。
お話も色々とゆるくて、予知能力の設定も“ビジョン”を見ているだけなのか、実際に起きて巻き戻しているのかが非常にわかりづらい。発動条件も第六感としてピンチのときになるのかな、と思っていたらそうでもない。あと、これはハリウッド大作全般に言えることたが、ペルーの僻地とニューヨークをカジュアルに移動しすぎだろ! 近所か! と突っ込んでしまうくらい演出が雑。一応1週間くらい滞在していた的な説明があるがそうは感じない。
それでもまあ見てられるのは、例の三人娘+ダコタ・ジョンソンがタイプが違いながらも可愛いからだと思う。
が、それでもチーム形成のくだりが全然なってない。なんとなくなし崩し的にバディ化してるが、ああいうのは一回ケンカ別れしてやっぱり一緒じゃないと力が出ないんだ! と悟るからクライマックスのチームプレーでカタルシスがあるんじゃないだろうか。この辺の基本のキくらいは押さえておいてほしい。
モービウスの感想にも書いたが、これがレンタルビデオのサスペンスコーナーの一角でひっそりとあった拾い物ならこれくらいでもいい。でもこれは、そうじゃない。ハリウッド大作の王道をいく作品なのだ。
おそらくこれがシニスターシックス的なもののお膳立てなのかな、と考えるとワクワクするどころか萎えてしまう。そのへんの観客の熱量はそろそろ作りても感じてほしいところ。