王冠と霜月いつか

呪餐 悪魔の奴隷の王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

呪餐 悪魔の奴隷(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

熱いぞ!アジアンホラー②

先に挙げました「悪魔の奴隷」の完全続編。(注)悪魔の奴隷は事前鑑賞マストです。

今回の舞台は、老朽化した高層マンション。そこで、映画:スピードの冒頭の、キアヌ・リーブスが救出に来なかったらこんな悲惨な事になってたのか!的エレベーター事故が発生して(爆発はしませんが)住民10名(エレベーターの下敷きになった女の子3人)が犠牲になり、同時に嵐で大雨になりマンションの下層が浸水、死体はそれぞれの部屋で保管、住民達はマンション内に閉じ込められ、とどめに停電という絶望的状況で、前作のリニ達家族と彼等に関わる住民達にサタンの魔の手が忍び寄ります。

嵐の前からじわじわとマンション内で怪奇現象は起こっていて、今回も、リニ達家族に理不尽に呪いが降りかかります。リニは冒頭で家族のケアの為辞めていた大学に復帰する決意をしていたんですが、そのエレベーター事故で隣の部屋の少年が独りぼっちになってしまったのを見捨てられず、ずるずると巻き込まれてしまいます。凄く良い娘なんですね。リニ役のインドネシアの吉岡里帆(私が勝手に言ってるだけです)タラ・バスロが前作にも増して魅力的です。

冒頭で、時間軸が巻き戻され、エピソードゼロ的なシーンが挟まれて、前作も出ている協力者の長髪のおじさん(名前忘れました笑)、タブロイド誌を刊行してまで呪いの情報を発信し続けるきっかけが描かれております。今ひとつ登場キャラクターがごちゃごちゃして、結局、あれは誰だったんだっけ?とかスッキリはしません。タイトルから察するにラスボスはサタンなのでしょうがサタンのヴィジョンは描かれず、「お母さん」も出てくるし、傘をさした黒装束集団、一番下の弟…。
 キャラクターでいうと、吉岡里帆に対抗して(違)、今作では、インドネシアの真木よう子が(笑)

冗談はさておき。
ホラー映画ですが、ケアラー問題、ドメスティックバイオレンス、信仰問題等等、社会問題も描かれていて、良く出来ている脚本なんだと思います。文化の違いと、言語の問題と、自分の理解力の無さで今一つ理解出来ない部分があるのが少々残念です。とても楽しめましたけれども、結局あれはなんだったんだ?というモヤモヤの部分が幾つか残りました。お母さんが、普通にリニ達家族のトラウマ化してるのが笑ってしまいました。それとエンディングの二人、前作同様不思議な味を出してます。
…お前達が住んでたんかいっ!

スコアは、前作同様、平均より高めの3.6です。ジャンプスケア苦手な方はおすすめ出来ませんし、好物だという方には物足りないかも知れません。