岸辺露伴 ルーヴルへ行くのマテのネタバレレビュー・内容・結末

これまでのドラマシリーズにも言えることだが、原作と現実世界が見事に融合した「岸辺露伴」だった。本当に素晴らしい。映画オリジナルのオークションや美術品窃盗団のエピソードも違和感なく物語に溶け込んでいる。原作の表現の方が好きだと感じた部分もあるが、映画の方が好きだと感じた部分も少なくない。例えば荒木先生の蠱惑的で芸術的な絵を実写に全て持ってくるのは無理があるが、映画は長尺だからこそ、露伴先生や他の…いわゆるモブキャラクターたちの営みにまで、思いを馳せることができるのがとても好き。あとジャック(?)が落ちたときのサモトラケのニケをバックにした露伴先生のショットが美しすぎてずっと見ていたかった。あれはすごい。センスがよすぎる。サモトラケのニケは本当にいいんだよ、分かってるじゃないか…。原作を読み返してみたが、ほんの１コマしか出てこないサモトラケのニケを選んであれほど美しい映像を撮るなんて最高すぎる！
それから毎度のことだが、原作にはあまり出てこない泉くんをねじ込んでも邪魔になっていないどころか、魅力にすらなっているのがうれしいところ。「ペダル」の時点でもう好きしかない。泉くんかわいい。バスのシャンゼリゼマダムもキュートだし、ルーブルで出会ったファンの少年たちのはしゃぎっぷりもかわいくてにやけてしまった。ベストにサインもらえてよかったね。