ピースオブケイク

赦しのピースオブケイクのレビュー・感想・評価

赦し(2022年製作の映画)
2.8
7年前に高校生だった娘を殺された元夫婦が、娘の同級生だった加害者の再審請求を機に、再び事件と向き合い葛藤する様を描いている。改めて明かされる真実を受け止め、加害者と向き合い、赦すことができるのか?

非常に重いテーマで様々考えさせられる面がある一方で、設定があまりにも無茶で、ど素人の私でも冒頭から違和感の塊になってしまった…。当時17歳だった加害者に懲役20年という非常に重い量刑が下されたという設定なんやけど、それやったらめちゃくちゃ身勝手な動機で、情状酌量の余地なし、反省もしておらず更正の見込みなし、殺害方法も残虐極まりない、とかやったらギリありかなぁ?と思うけど、実はひどーいイジメにあっていて耐えかねてやったとか、流石にそれはありえへんし。殺人という最も重い刑事事件に対し、一審では何を調査しとってん!動機についてどう解釈したら懲役20年になるの?と、無茶な設定へのツッコミに忙しく、プラス、元夫婦役の尚玄とMegumi、それからMegumiの今夫役の藤森慎吾の言動にも違和感満載で、折角の考えさせられるテーマが薄らいでしまった。

それでも最後まで観れたのも、スコアを2.8まで引き上げたのも、松浦りょうという役者の演技に引き込まれたから。この人は凄いかもしれない。初めて見る俳優さんで、正直あまり期待していなかっただけに、ジャケットのインパクト以上に演技の凄みを感じた。今後の活躍に期待!